ISOとは
ISOとは世界の規格を統一するための機関のことで、
International Organization for Standardization、
日本語では国際標準化機構と訳されています。
電気技術分野を除く全産業(鉱工業、農業、医薬品等)に関する
国際規格の策定及びその利用促進が目的で、
1947年2月に民間・非営利団体の国際機関として発足しました。
本部はスイスのジュネーブにあります。
略称が「IOS」ではなくて「ISO」になったのには
いくつかの説があります。
ギリシャ語で「相等しい」「一様性」という意味を持つ
「isos(イソス)」から来た説、
ギリシャ神話の名を借りたという説、
前身の機関ISA(万国規格統一協会)に
呼び慣れているからという説、
などが知られています。
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ISOの前身は1928年に設立されたISA(万国規格統一協会)ですが、
国際標準化機関としてはIEC(国際電気標準会議)の方が古く、
1908年に成立しています。
JIS規格というのが日本で販売される製品の標準的なサイズや
最低限必要な安全性を定めた規格の一種ですが、
このように世界各国でその国ごとの規格が存在するのは
貿易、経済取引を行う上で大変不都合です。
そのため世界規格の標準化が進んできたのです。
金融・経済のグローバル化が進む現代では、
ISOやIEC(国際電気標準会議)などの国際規格が
そのまま国内規格化される時代となりつつあります。
しかし現実には、ISOやIECなどが制定した
ディジュール標準(公的標準)と、
マイクロソフトの”ウィンドウズ”のような
デファクトスタンダード(事実上の標準)が
存在するのも事実です。
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公的標準は当然の事ながら透明性があってオープンですが、
標準化に時間がかかるという欠点があります。
それに比べてデファクトスタンダードは
時間はかかりませんが
勝者が市場を独占することになり、
情報公開において透明性を欠き閉鎖的です。
また最近では、WTO/TBT協定などの影響で
ディジュール標準化も無視できない状況になりつつあります。
※WTO/TBT協定とは…まずTBT協定とは、
1979年に国際協定として合意されたGATTスタンダードコードが
1994年にTBT協定として改訂合意され、
翌年WTO協定に包含されたものです。
TBT協定はWTO一括協定となっており、
WTO加盟国全てに適用されます。
要するに、ISOなどで定められた規格は
国内規格として取り入れないといけないという協定です。
※GATT(ガット)とは、1947年に調印された
関税及び貿易に関する一般協定(General Agreement on
Tariffs and Trade)の略称です。
自由貿易の促進を目的として、
200件以上の経済紛争も処理してきましたが
1986年〜94年にかけて交渉が行われたウルグアイ・ラウンドの結果、
GATTを拡大発展させる形で 1995年、
モノだけでなくサービス、知的財産権・知的所有権までもカバーした
WTO(世界貿易機関)が発足し、その役割が移っていきました。
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そしてこのディジュール標準の分野でも
建前は建前として、本音では世界標準化を狙って
地域や国家がしのぎを削っているのが現状です。
ISO9000シリーズではEU統合の時期ということもあり、
ヨーロッパ主導で国際標準化が進められた経緯もあります。
WTOが公式オブザーバーとして認めた国際標準化機関には
次のようなものがあります。
1.国際標準化機構(ISO)
2.国際電気標準化会議(IEC)
3.国際電気通信連合(ITU)
4.FAO/WHO合同食品委員会(CODEX)
5.経済協力開発機構(OECD)
6.国際獣疫事務局(OIE)
7.国際法定度量衡機関(OIML)
8.国連欧州経済委員会(UNECE)
ヨーロッパでは、ISO、IEC、ITUに対してそれぞれ
CEN(欧州標準化委員会)、CENELEC(欧州電気標準化委員会)、
ETSI(欧州電気通信規格協会)を設けていて、
国際標準化に対する強い執着心が見て取れます。
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日本もこうした流れに後れを取ることなく、
国家戦略の観点からも
積極的に国際標準化活動に参加するべきでしょう。
ISOで有名な標準化規格には「イソねじ」と呼ばれる
ねじの規格があります。
その他代表的な規格として、写真フィルム感度の規格、
クレジットカードの寸法規格などがありますが、
1987年に規格化されたISO9000シリーズは
従来の製品に対する規格化ではなく、
企業の管理体制(マネジメント)に関する規格化である点が
大きく異なっています。
次の項ではマネジメントシステムについて見ていきましょう。
※「ISO9000シリーズ」は2000年版からは
ISO2000ファミリーと呼び方が変更されました。
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