株式の公開と株の持ち合い
株式の公開とは、
文字通り、広く一般の人が会社の株式を
売ったり買ったりできるようにする事です。
会社も大きくなってくると、身内や特定の株主からの
資金だけでは間に合わなくなってきます。(未公開会社)
その時、社債発行や銀行からの借り入れ
という方法もありますが、
長期安定的な資金(株式)として調達する方が有利といえます。
そこで、会社の事業内容など必要な情報を提供し、
広く株式を買ってもらう(投資してもらう=自己資本)方法が
株式公開なのです。
ところが日本では戦後、財閥の解体で
株式が一般に売り出された時に
株の持ち合いが始まりました。
乗っ取りを恐れたのですね。
Photo by M's Gallery
1960年代後半からは、外国資本による
企業支配の懸念が高まり、
企業と関係金融機関がグループを形成し、
互いに株を持ち合い経営の安定化をはかりました。
その安定的な経営環境は、経営者に
”株主のために利益を上げる”
という本来の使命を忘れさせ、収益性は低くても
事業拡大最優先という暴走を招いてしまいました。
本業とは全く関係のない事業に進出することも、
決して珍しいことではありませんでした。
Photo by LinkStyle
しかしバブルがはじけてからは、
このもたれ合いの構図は急速に変わりつつあります。
企業の倒産による打撃を、銀行一手で引き受けるのは辛くなり、
広く一般の人に市場に参加してもらい、
見込みのある事業に投資してもらおう、
という動きに変わってきているのです。
間接金融から直接金融へ大きく動いている途中でした。
ところが、LDや村上ファンドなど、
最近の一連の動きを受けて、M&A(企業の合併・買収)
に対抗するために、株式の持ち合い・復活、の声も
ちらほらと出てきました。
まぁそうは言っても、持ち合いを再開させているのは
業績がいい一部の業種だけみたいですが…
この動き、注視して行く必要がありそうです。
Photo by LinkStyle
現在のページ:株式の公開と株の持ち合い
次のページ :社債と株式の違い>