転換社債(CB)とは
転換社債とは株式に転換する権利の付いた社債で、
平成14年(2002年)の商法改正で正式名称が
転換社債型新株予約権付社債になりました。
Convertible bond (転換できる債権)の頭文字をとって
CB(シービー)と略されます。
発行時に決められた転換価格で、一定の期間内
(転換請求期間)に債券保有者が発行会社に対して
株式に転換請求をする事ができます。
株が値上がりした場合は株式に転換し、値下がりした場合は
社債のまま保持し利息を受け取ることができます。
つまり転換社債(CB)は、
・利回り確定の社債としての安全性
・値上がりが期待される株式としての魅力
(キャピタルゲイン=売却益)
両方の利点を兼ね備えた社債といえます。
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転換社債は転換権を行使すると社債がなくなり株式に変わり、
いったん株式へ転換すると再び社債には戻せません。
購入した転換社債をそのまま保有するのか、株式に転換後
売却して利益を確保するのかを判断する材料として、
バリティ、理論価格と呼ばれるものがあります。
※バリティとは、転換価格を100とした時の
株式の時価がいくらになるかを計算したもので、
現在の株価(時価)を転換価格で割って出します。
バリティ(理論価格)=株価(時価)÷転換価格×100
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時価が転換価格と同じ場合、
バリティは100円で額面価格と一致します。
転換社債を発行する時は、株式の時価よりも高く設定されるので、
株が値上がりして転換価格を上回ればバリティは100円を超え、
株価が下がれば理論価格も下がります。
よってバリティ価格が100円↑であれば株式に転換し
売却して利益を確保し、100円↓の場合は
転換社債のまま保有した方がいいことになります。
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購入した転換社債を処分する方法としては、
株式に転換して売却する方法の他に、
転換社債としてそのまま売却する方法もあります。
どちらが得かを比較するのに「かい離率」というのがあります。
※かい離率とは転換社債の時価と、
バリティの離れ具合の割合を示したものです。
かい離率=(転換社債時価ー理論価格)÷バリティ×100
かい離率がマイナスになっている時を逆かい離率といい、
転換社債が株式より割安になっている状態を示します。
転換社債の利回りというのは、投資金額に対して受取収入の
割合を1年あたりで計算したもので、
短期間CB(転換社債)を保有する場合の利回りの尺度に
直接利回り=年利息÷CB購入価格×100 があり、
CBを償還日まで保有する場合の1年あたりの償還差益を
年利息に加味した割合を最終利回りといいます。
最終利回り=[年利息+(額面ーCB購入価格)÷
満期日までの年数]÷CB購入価格
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転換社債(CB)は、企業側からみても、社債のクーポン利率を
低くして発行できるため、借り入れ時の負担減になります。
業績が好調で株価が上がれば、株式へ転換されるので
社債を返済する義務がなくなるなど、
双方にとって魅力的な直接金融といえます。
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